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首相インタビュー詳報(1)/主要国通信社代表と会見

2008/06/17 18:05

 ジル・カンピオンAFP東京支局長(フランス) 主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)では、温室効果ガスの排出削減に関する明確な中期目標で合意するか。

 福田康夫首相 中期目標は2009年末まで行われる国連交渉の中心的な課題だ。サミットはその合意をするための場ではなく、中期目標を設定する必要性があるわけではない。ただ、中期目標を含む温暖化対策の議論で具体的な結果を達成するよう建設的な議論をする必要がある。すべての主要経済国が責任あるかたちで参加し、実効性ある次期枠組みづくりの実現を促進させるような政治的な成果を得たい。

 トーマス・カーリーAP社長(米国) サミットで経済対策はどのくらい達成できるか。

 首相 サミットを行えば世界経済も日本経済も安定する、ということはない。どういうメッセージを出せるかが課題だ。米サブプライム住宅ローン問題に端を発した影響を除去するためどういうメッセージを発するか。原油価格や穀物価格の高騰に(対処する)方向性を出していく必要性がある。努力したい。決定的な状況をもたらす一つのステップになればいい。短期的に解決できる状況ではない。サミットをワンステップとして、いろいろな場でメッセージを継続して出すことが大事だ。

 マイケル・ローレンス・ロイター総編集長(英国) 原油や食料の価格高騰による日本経済への影響はどの程度か。

 首相 サブプライム問題では幸いあまり影響を受けていない。原油高騰も、省エネの徹底で、産業部門はそれほど大きな影響を受けていない。ガソリン価格が上がり、国民は非常に苦しい思いをしているが、昨年末から対策を講じて痛みを和らげる努力をしてきた。今後も必要な措置は取っていかなければいけない。原油生産を上げるとか、過度の消費を抑える配慮もしながら、インフレで(物価が)高騰しないよう努力していかなければいけない。

 ビタリー・イグナチェンコ・イタル・タス社長(ロシア) 首相の外交政策「新福田ドクトリン」はアジア外交の統合がテーマだが、この構想をどう実現するのか。ロシアの位置付けは。

 首相 30年後は太平洋を内海とするため、いろいろ努力する必要がある。キーワードは太平洋を中心とした安定発展だ。ロシアも極東地域が発展すれば太平洋国家だ。わが国も太平洋国家としてロシアと協力していきたい。発展を遂げる方策はアジアの国々が太平洋に目を広げ、太平洋全体のネットワークに参加する体力をつけることが大事だ。そのための環境を整えたい。具体的には東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の統合や発展のほか、日米同盟の強化も必要だ。インフラの育成強化、気候変動対策や低炭素社会の実現に向け協力していく。太平洋を中心とした地域の安定と発展のために貢献していくのがわが国の外交の基本的な考えだ。

 マルテ・フォン・トロッタDPA社長(ドイツ) ドイツは軍をアフガニスタンに派遣している。自衛隊は日本独自で派遣するのか。他国と共同活動を考えているのか。

 首相 ドイツと日本では基本的に違うところがある。憲法上、わが国は海外での自衛隊の活動は限定的だ。自衛隊はイラクの非常に安定した地域、テロや戦闘行為が起こらない地域で福祉活動や民生向上という観点からいろいろ活動した。ドイツはアフガンに軍を派遣してテロ抑止行動を行ったが、戦闘行動も含んでいた。わが国はアフガンで陸上活動はしていないが、インド洋でテロ犯の流出や麻薬の横行を防ぐため、艦隊への給油活動など後方支援活動をしている。国によって、できることとできないことがある。ドイツがイラクに軍を派遣しなかったのは一つの選択であり、アフガンへの派遣はむしろいい選択だ。そういう活動は評価している。お互いにできることは協力すべきだ。

 ボリス・ビアンケリANSA会長(イタリア) ローマで食料サミットが行われた際、福田首相はイランのアハマディネジャド大統領と会談した。大統領がウラン濃縮活動停止について、国連安全保障理事会常任理事国とドイツが提案した「包括的見返り案」にどれだけ真剣に取り組む用意があると感じたか。

 首相 大統領に初めて会った。率直に物を言う方だ。私は「ウラン濃縮活動をやめるように」と何度か言った。しかし大統領は「それはできない」と答えた。私は「イランは民生用の核を保有する前に、省エネルギーをいろいろな分野で行うことが大事ではないか。その次に原子力発電所を持つのがいい方向ではないか」と言った。しかし濃縮活動はどうしてもやりたいそうだ。大統領は私に「やめる」とは一切言ってない。「これはイランの考える政策だ」という返事だった。何度もよく話をすることが必要だ。独りぼっちにさせないことが大事で、そういう努力を続けていく。平和的な解決がどうしても必要だ。

 石川聡・共同通信社長(日本) 北京の日朝実務者協議で、北朝鮮は拉致被害者の再調査を約束した。日朝の合同調査になるか、第三者による調査になるか。時期はいつか。「よど号」乗っ取り犯関係者の引き渡しはいつごろになるか。

 首相 今回の実務者協議で、北朝鮮は拉致被害者の再調査とよど号犯の引き渡し、日本は対北朝鮮経済制裁の一部解除を決めた。話し合いを進展させることによってすべて実現する。精細な打ち合わせを今後しなくてはいけない。今は時期を明確に申し上げられる段階ではない。しかし、時間がかかるのでは約束したことにならない。時間的制約は常識的な範囲であると思っており、期待している。話し合いを進展させる以外に解決の方法はないと考えている。お互い誠意を持って交渉することが大事だ。

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